先日、日本時間の27日午前0時に、Shopify Edition Summer 23(Shopify 23年夏 Edition)のプレゼンテーションイベントがShopify公式より開催されました。
このイベントでは、Shopifyで今後実装される多くの機能が発表されました。いくつかの内容をピックアップしてご紹介いたします。
本当に驚くべき機能が発表されました。27日からいくつかの機能はすでに実装されており、ほぼ全てのプランで使用できるようになっています(ただし、一部の機能はShopify Plusのみ対象のようです)。
Summer 23では100以上の新しい機能が実装(予定)されるようですが、イベントではそのうちいくつかをピックアップして紹介されました。マーチャント(EC事業者)もShopifyパートナー(サイト制作者)の双方にとって見逃せない内容となっています。
今回のプレゼンテーションでは、Shopifyの商品部門のバイスプレジデントであるGlen Coates氏がShopifyの新機能について紹介してくれました。
目次
- 1 Shopify管理画面の改善 – よりストア運営が便利に
- 2 サイトのデータのコピー(開発者・制作者向け)
- 3 Shopify Collective – 商品ラインナップ拡張支援アプリ
- 4 Shopify Bundles App – バンドル販売の支援アプリ
- 5 Shopify Subscriptions – 定期購買プラン設定支援アプリ
- 6 Shopify Marketplace Connect -マルチチャネルをより簡単に
- 7 B2B 向けのストアデザインテンプレート ‐B2BとB2Cを同じShopiyストアで
- 8 マーケットに合わせたストアデザイン
- 9 Shop app – ストアのモバイルアプリ化
- 10 Shopify inbox – AI 支援によるストア上でのチャット
- 11 Shopify チェックアウト – コンバージョン率を上げるデザインや機能拡張性
- 12 Sidekick – Shopify 運営のAIサポート
- 13 まとめ
Shopify管理画面の改善 – よりストア運営が便利に
Shopifyの管理画面がデザインの見直しを受けているとのことです。フォントやスペースがよりタイトになり、データなどがよりクリアに見えるようになり、操作もわかりやすくなったとのことです。
これらの変更は、一つ一つは些細なことかもしれませんが、日常的に使うものであるため、その積み重ねが非常に大きな助けとなるでしょう。
以前の管理画面と比較して、改善点が多く見られると思われます。フォントやスペースのタイトさにより情報がより見やすくなり、データの把握がしやすくなったことで作業効率が向上するでしょう。また、操作のわかりやすさが向上したことで、新機能の導入やタスクの実行もスムーズに行えることが期待されます。
デザインの見直しはユーザーエクスペリエンスの向上に大いに貢献するものであり、ユーザーにとって使いやすい環境を提供することが重要です。これらの改善によって、Shopifyの管理画面の利用がより快適で効果的なものとなったことでしょう。
グローバルサーチ – ストア内情報の検索がより便利に
グローバルサーチの改善により、検索の速度が向上したとのことですね。具体的には、例えば購入したお客様の名前で検索した場合に、「注文」と「顧客情報」といったカテゴリに分けて結果を表示するようになりました。
これにより、検索結果がより効率的に表示され、ユーザーは注文に関連する情報や顧客情報を迅速に把握できるようになったでしょう。例えば、注文情報を検索した場合には、支払い状況や発送状況などの重要な情報が一目でわかるとのことですね。
このような改善によって、ユーザーは作業をより効率的に進めることができるだけでなく、注文の管理や顧客対応などの業務においてもより迅速かつ正確に情報を取得できることでしょう。
グローバルサーチの速度向上と、検索結果のカテゴリ分けは、Shopifyの管理画面の使いやすさと生産性を向上させる大きなアップデートとなったと言えます。これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上し、利用者がよりスムーズに作業を行えるようになったことでしょう。
管理画面 – ホームページ – アナリティクス確認が簡単に
管理画面のホームページの見やすさが改善され、シングルカラムのクリアなデザインになり、統計アナリティクスデータがホームページ(管理画面を開いたすぐの画面)すぐに見られるようになったとのことです。
これは小さな改善かもしれませんが、忙しい時間の中でサイト運営者が毎日売上データの動向をチェックする必要がある場合、非常にうれしいアップデートと言えるでしょう。シングルカラムのデザインは情報の整理がしやすく、統計アナリティクスデータが見やすくなったことで、売上やトラフィックなどの重要なデータを迅速に把握できるようになったことが想像されます。
売上データの動向を毎日チェックすることはオンラインビジネスにおいて重要な作業ですが、改善された管理画面のホームページによってこの作業が効率化され、時間と労力を節約することができるでしょう。また、見やすいデザインによって正確な判断が可能となるでしょう。
このような改善によって、サイト運営者はより効率的にデータを管理し、ビジネスの戦略立案や意思決定に活かすことができるようになったと言えます。忙しい日々の中でも、貴重な時間と労力を節約できる点は、利用者にとって大きなメリットとなるでしょう。
バルクエディター – 商品の複数同時編集がより快適に
商品の複数同時編集の機能のパフォーマンスが改善され、処理速度がとても速くなったとのことです。さらに、編集画面のコラムのサイズも自由に調整できるようになりました。
多数の商品ラインナップを抱えるストアにとって、商品の複数同時編集機能は非常に便利なものですが、以前は長い待ち時間や必要な情報が見渡せないなどの不便さがあったかもしれません。しかし、このShopify Edition Summer 23 (Shopify 23年夏 Edition)によってそれらの問題が解消されたとのことで、利用者にとって大変朗報となるでしょう。
処理速度が向上することで、大量の商品データを一括で編集する際の待ち時間が大幅に短縮され、作業の効率が格段に向上します。また、編集画面のコラムのサイズを調整できる機能が追加されたことで、必要な情報をより効果的に表示できるようになり、操作のしやすさも向上することが期待できます。
これらの改善によって、ストアオーナーや運営者はよりスムーズに商品管理が行えるようになり、日々の作業がより楽になるでしょう。Shopify Edition Summer 23 (Shopify 23年夏 Edition)の導入により、より便利で使いやすい管理画面が実現されたと言えるでしょう。
サイトのデータのコピー(開発者・制作者向け)
こちらのアップデートに関しては主にShopifyパートナー開発者やECサイト制作者向けの機能改善のようです。
従来、デモ用などの開発ストアを準備する際には、データを一から登録しなければならず、手間と時間がかかる不便さがありました。しかし、Shopify Edition Summer 23 (Shopify 23年夏 Edition)からは既存のストアからの商品やコレクション、ファイルなどのデータを丸々コピーできるようになり、いわばクローンサイトを簡単に作成することができるようになりました。
これは特に複数のデモサイトをクライアントに紹介する必要があるShopifyパートナーにとっては朗報と言えるでしょう。以前の手作業によるデータ登録の手間やミスを減らし、素早く効率的にデモサイトを構築できるようになったことで、開発者はより多くのクライアントに自社の提案をアピールすることが可能になります。
クローンサイトの作成機能はShopifyパートナーの効率を向上させ、新たなビジネスの機会を拡大することにも繋がるでしょう。デモや提案においては、クライアントに現実的なイメージを伝えることが重要ですが、このアップデートによってより効果的なプレゼンテーションが可能となったことは大きな利点です。
Shopify Collective – 商品ラインナップ拡張支援アプリ
こちらの内容はアメリカ国内向けのShopify Collective(ショピファイ コレクティブ)に関する機能改善のようです。
Shopify Collectiveにより、ブランドやサプライヤーから提供される情報を活用して、商品を簡単にインポートし、自社サイトのラインナップに追加して販売できるようになりました。この機能は、自社のラインナップにはなかったけれども、ショップの客層が必要とするアイテムを追加して、ラインナップを充実させる際に非常に便利なものと言えるでしょう。
商品の追加販売にあたっては、従来は手動で情報を入力する必要があったかもしれませんが、Shopify Collectiveを活用することで、情報を自動的に取り込んで簡単に追加できるため、作業の効率が格段に向上します。また、提供される商品情報が信頼性や品質に対してしっかりとチェックされていると仮定すれば、顧客にとっても信頼性の高い商品を提供することができるでしょう。
この機能により、ショップオーナーはより幅広い商品ラインナップを提供できるようになり、顧客のニーズに応える幅が広がることが期待されます。新しいアイテムの追加販売をスムーズに行い、売上を拡大させる手助けとなるでしょう。
現在は、海外のブランド(アメリカ)のみのようですが、日本のブランドや、日本での販売に向けた追加などができるようになることを期待したいですね。
Shopify Bundles App – バンドル販売の支援アプリ
Shopify Bundlesアプリが一般的に使えるようになったことは、特に多くの商品ラインナップを持つサイトや提案型のセレクトショップにとっては朗報と言えるでしょう。
このアプリは商品をまとめて提案する機能を持ち、顧客あたりの平均注文額を底上げするのに非常に有用なツールです。
今回のプレゼンテーションでは、例えばテニスを始めたいという顧客向けに、ラケット、ボール、ウォーターボトルをアプリを使ってバンドル化して販売する方法が紹介されました。
さらに、アップデート版のBundlesアプリではシンプルなバンドルだけでなく、ミックスバンドルやマッチバンドルを使用することも可能になります。これにより、より多様な商品の組み合わせを顧客に提供し、ニーズに合ったオプションを提案することができます。
また、バンドルのバリエーション数が増やされることで、サイトの商品ラインナップがより豊富になります。これは顧客にとっても選択肢が増えることを意味し、購買意欲を高める助けとなるでしょう。
現在、Shopifyではこのバンドルのバリエーションを最大250まで増やせられるよう改善に取り組んでいるようです。
多くの商品を扱うサイトは、顧客により魅力的な買い物体験を提供するために、バンドル機能の利用は重要です。これにより、顧客が関心を持つ商品を組み合わせて提案できるため、単品の販売よりも売上拡大に繋がる可能性が高いです。
総じて、Shopify Bundlesアプリの一般的な利用可能化は、ECサイトの成長と売上拡大に貢献すると期待される嬉しいアップデートとなるでしょう。
Shopify Subscriptions – 定期購買プラン設定支援アプリ
Shopify Subscriptionsアプリが定期購買のプランを簡単にセットできるようになったことは、EC事業者にとって非常に便利な機能となるでしょう。
今回のプレゼンテーションでは、例としてテニスボールのサブスクリプションを紹介したとのことです。このアプリを使用することで、以下のようなステップで簡単にサブスクリプションのプランを作成できるとのことです:
- プラン名をつける
- 提供する商品を選ぶ
- 提供する頻度を設定する
- 定期購買で注文した場合の割引率を設定する
これにより、EC事業者は顧客に定期的な商品の提供を行うことができます。定期購入ができるようになることで、顧客のロイヤリティを高めたり、売上の安定化にも寄与するでしょう。
特に定期購買の需要がある商品には、この機能が非常に有用です。顧客が定期的に使い続ける商品や消耗品を提供する際には、定期購買のプランを簡単にセットできることで、利便性を向上させることができます。
このアプリにより、EC事業者は手間をかけずに定期購買のオプションを提供できるため、顧客の満足度向上やリピート購入の促進に繋がることが期待されます。顧客との長期的な関係を築くためには、定期購買の機能は有力な手段となるでしょう。
Shopify Marketplace Connect -マルチチャネルをより簡単に
Shopify Marketplace Connectのアップデートにより、複数のマーケットプレイスへの出品作業がより簡単になったことは、EC事業者にとって非常に便利な進化と言えるでしょう。
これまでShopifyで登録した商品を他の主要なマーケットでも出品する場合、設定がわずらわしかったかもしれませんが、新たなアップデートによりそのような問題が解消されました。
今回のプレゼンテーションでは、商品をウォルマートなどのマーケットプレイスで出品を例に紹介していました。
ウォルマートへの登録者IDを入力し、マーケットプレイスとShopifyをコネクトするだけで、通常のShopifyでの出品方法と同じくらい簡単であっという間に出品ができるようになったようです。
さらに、マーケットごとにわけた商品リストを表示できることや、マーケット毎の割引率(割増率)なども簡単に調整できるようになりました。これにより、各マーケットに合わせた戦略的な価格設定が可能となり、適切なプライシングによる効果的な販売が期待できます。
また、購入情報や在庫情報が自動的にアップデートされる点も大きな利点です。これにより、在庫切れや売り切れなどの問題を防ぎつつ、リアルタイムな情報を確認することができます。
今回の紹介ではアメリカ国内向けのマーケットのみとされていますが、将来的には日本のマーケットでも同じように簡単に出品できるようになることを期待したいですね。
このようなアップデートによって、EC事業者は効率的に多くのマーケットプレイスでの出品や販売を行い、事業拡大や売上向上に寄与することができるでしょう。
B2B 向けのストアデザインテンプレート ‐B2BとB2Cを同じShopiyストアで
ShopifyはこれまでB2B向けのシステムに力を入れてきましたが、このShopify Editon Sumemr 23(Shopify Edition 23年夏)のアップデートによりさらに便利に改良されたようです。
Shopifyの強みは、B2BとB2Cの情報を一つのプラットフォームで管理できる点にあります。これにより、ビジネスをB2BとB2Cの両方に展開するEC事業者にとって、効率的で統合的な運営が可能となります。
今回のアップデートでは、特にB2B向けのまとめ買いでの割引などが簡単に設定できるようになったとのことです。例えば、商品購入の最小値や単位ごとの割引率を設定することができるようになりました。これにより、B2Bの取引において、数量に応じた価格設定や特別な条件を簡単に適用できるため、顧客にとって魅力的なオファーを提供しやすくなります。
B2B向けのまとめ買い割引などの設定は、従来は手動で行う必要があったかもしれませんが、アップデートによってこれらのプロモーションや割引の設定が効率的に行えるようになったことは、EC事業者にとって大きな利点となるでしょう。
プレゼンテーション内では、商品購入の最小値、また単位ごとに伴う割引率などが簡単に設定できるようになったことを紹介していました。
これにより、Shopifyを利用するB2B事業者はより柔軟な価格設定や特典の提供が可能となり、顧客の満足度向上やリピート購入の促進に貢献することが期待されます。
マーケットに合わせたストアデザイン
さらに、バックエンドの設定だけでなく、ストアの見た目もB2B向けのお客様に対して独自のものにカスタマイズすることができるようになりました。テーマエディタ画面にてマーケットを「B2B」にして、B2B向けのデザイン(例えばB2Cとは異なる配送情報など)を行えるようになりました(これまではできませんでした)。
一つのテーマで、B2B向けのストアも構築ができ、同じShopifyで、B2BとB2Cを同時に行っているマーチャントには非常に嬉しい機能なのではないでしょうか。
マーケットごとのデザイン ‐ 越境ECがより効果的に
実はこの機能はB2B向けだけでなく、マーケットごとに合わせたデザインが行えるようになっています。
例えば、「アメリカ」と「日本」のマーケットでは別のデザイン表示(テンプレート設定)を行えるようになりました。例えば、越境ECなどで、まったくこちらのブランドのことを知らない海外ターゲットに合わせた別のサイトのアピールを行うなどが可能になります。
これはこれから越境ECで海外へブランディングを行いたいという事業者にとっては有用な機能だと思いました。
なぜなら、「国内ですでにそのブランドの名前を知っている、どういった商品を提供しているかくらいは知っている消費者」と「そのブランドを聞いたこともない、どういった商品を提供しているかもまったく知らない消費者」とでは、マーケティングの手法やブランドのアピールがまったく異なってくるからです。またそれに伴いサイトのデザインを変えることも必然的に要求されます。
ブランドの海外進出を狙ったけどうまくいかなかった事業者。その事業者から、このギャップを埋めることが難しく、たくさん痛い経験をさせられたという話をよく聞きます。このマーケットごとにわけたデザインの可変機能は、そのギャップを埋めるのに一役買ってくれるのではないでしょうか。
Shop app – ストアのモバイルアプリ化
「Shop」アプリは、ストアをモバイルアプリ化するためのアプリです。
プレゼンテーションでは、Shopアプリ内で、ドラッグアンドドロップなどの簡単な操作でモバイルアプリをデザインする方法が紹介されました。
Shopアプリを利用することで、EC事業者は手軽に自社のストアをモバイルアプリとして提供できます。ユーザーはスマートフォンやタブレットでアプリをダウンロードして利用することができ、シームレスなショッピング体験が実現されます。
プレゼンテーションでは、特にShopアプリのデザイン機能に焦点が当てられ、モバイルアプリのデザインが容易に行える点が強調されました。ドラッグアンドドロップの操作を使って、独自のアプリデザインを簡単に構築できるため、デザイナーでなくても誰でも直感的にアプリをカスタマイズできるという利点があります。
このような機能により、EC事業者はモバイルアプリを通じて顧客とより密接にコミュニケーションを取ることができます。また、アプリ特有の機能やプッシュ通知などを活用して、顧客のエンゲージメントやロイヤリティを高めることが期待されます。
Shopアプリを活用することで、モバイルアプリのデザインからデータ分析まで一元的に行えるため、EC事業者はユーザーエクスペリエンスの向上とビジネスの効率化を実現することができるでしょう。
Shopify inbox – AI 支援によるストア上でのチャット
新しいShopify Inboxの機能により、ストアのサポートや顧客との関係構築がさらに強化されました。AIによる支援により、効率的で迅速な対応が可能となります。
この機能では、ストアのポリシーや過去の会話履歴を元に、AIが即時に適切な返信文を提供してくれます。これにより、運営者は回答内容を確認するだけで、手間をかけずに顧客に返信することができます。
今回プレゼンテーションでは、あらかじめ用意したポリシーや定型文を活用したデモが紹介されました。これにより、運営者はより迅速に対応できるだけでなく、一貫性のあるサポートを提供することができます。
そして、ここからがAI(Shopify Magic)のすごいところです。
お客様からの追加の質問に対しても、AIが自動的に適切な回答文を生成することで、対応がスムーズに行えます。過去の会話履歴を活用することで、顧客によりパーソナライズされた対応ができることが大きなメリットです。
デモンストレーション内では、Glen氏が実際にタイピングをするまでもなく、自動生成された返信文を確認して送信するだけという感じでした。
Shopify Inboxのこの新機能により、ストアの運営者はより効率的に作業が進められるだけでなく、顧客とのコミュニケーションをより強化できます。顧客満足度の向上と長期的な顧客ロイヤリティの構築に貢献することが期待されます。
全体的に、Shopify InboxのAI支援機能はEC事業者にとって非常に有益なアップデートであり、スムーズなサポート提供と顧客関係の強化に大いに役立つでしょう。
Shopify チェックアウト – コンバージョン率を上げるデザインや機能拡張性
Glen氏によれば、Shopifyのチェックアウト機能は世界で最も優れているとのことで、それを裏付ける証拠として世界3大のコンサルティング会社の調査結果によればチェックページにてのShopifyのコンバージョン率は最大で36%、平均して15%ほどであり、他の競合他社よりも高い結果が示されています。
Shopifyのチェックアウトが優れている理由として、すべてが1ページで完結するように設計されている点が挙げられます。多くの実験を経て、このアップデートが導入されたとのことです。
さらに、チェックアウトの拡張も公開されているアプリやカスタムアプリ(Shopify Plusの場合)で実現できるようになりました。デモではカスタムアプリを使用していましたが、Shopify App Storeでも同様の機能を備えたアプリが見つかることができるでしょう。
デモ内では、拡張機能によるチェックアウト画面でのアドレスの自動入力サポートやローカルデリバリーの希望日などの設定サポートが紹介されていました。これにより、ユーザーにとってより使いやすく便利なチェックアウト体験が実現できます。
オンラインストアにおいて、チェックアウトは顧客が離脱を行いやすい場所でもあります。多くのユーザーがチェックアウトが煩雑で途中で諦める経験をしたことがあるかもしれません。そのようなカゴ落ちや離脱に対してShopifyが力を入れていることは、EC事業者にとって大変喜ばしいアップデートだと言えるでしょう。
このようなチェックアウトの改善により、ユーザーエクスペリエンスが向上し、ストアのコンバージョン率の向上につながることが期待されます。それにより、EC事業者はより多くの顧客を確保し、売上を伸ばすことができるでしょう。
Sidekick – Shopify 運営のAIサポート
Sidekickとは英語で主人公と供に行動する相棒や親友を意味します。
バットマンのロビンや、アラジンのアブー、古畑任三郎の今泉巡査というとイメージしやすいかもしれません。
Shopify のSidekickではそんな相棒のようにAIがShopifyの操作や運営をサポートしてくれます。
プレゼンテーションでは、Sidekickに対して「どのようなディスカウントができますか?」と質問すると、AIが「特定の商品の割引」、「オーダーの量に応じた割引」、「商品Xを買うとYがもらえる」などのディスカウント手法を提案してくれるデモが行われました。さらに驚くべきことに、Sidekickは単なる提案に留まらず、例えば「すべてのテニスボールに対して10%オフのディスカウントを作って」と命令すれば、AIがその内容に合わせたディスカウントを自動生成してくれる機能も紹介されていました。
現在AI技術は、ChatGPTやMidjournyなど、世間を騒がせているテクノロジーやサービスの一つとして注目されています。そして、ShopifyもついにこのAI技術を導入しました。ShopifyのAIは、英語のサポートに焦点を当てていますが、将来的には日本語を含む多言語のサポートも目指しているとのことです。
このSidekickの導入により、マーチャントはより効率的かつ効果的にShopifyの運営が。また、AIによるサポートの向上により、顧客とのコミュニケーションがより円滑になり、ユーザーエクスペリエンスが向上することが期待されます。
近年のAIの機能はめざましく進化はしており、今後の日本語対応など、さらなる発展が楽しみです。これにより、Shopifyの利用者はさまざまな言語でより快適なサポートを受けることが期待できるでしょう。
ShopifyのAIは現時点では残念ながら英語のみのサポートのようですが、一部機能では日本語も含む多言語のサポートもあり、これからも増やしていくことが期待したいです。
Language support for Shopify Magic may vary by feature. Most features support English, however, there are features that support additional languages namely English, German, Spanish, French, Italian, Japanese, Portuguese (Brazilian), Chinese (Simplified). For more information, please consult the help docs on Shopify Magic here.
Shopify公式 より 2023年7月27日現在
Shopify Magic AI Designed for commerce
まとめ
今回のデモンストレーションでは、上記のようなアップデートの紹介のみでしたが、Shopify Edition Summer 23 (Shopify 23年夏 Edition)では実に100以上のアップデートがされているとのことです。くわしくは下記のリンクからご覧いただけます。
Shopify Edition Summer 23(Shopify Edition 23年夏)の新機能は本当に多くの便利なものが追加されました。
マーケットごとにデザインをカスタマイズしたり、海外進出時のブランド戦略に対応するなど、グローバル展開を目指す事業者にとっても大きな強みとなります。
またShopify BundleやSubscriptionは ストアに売上をブーストしてくれるでしょう。
特にAIを活用して直接ストアの操作を行う機能は、これからのオンラインストアの運営にとって非常に先進的で重要な要素です。
AIを用いることで、チェックアウトの最適化やディスカウントの提案、カスタマーサポートの自動化などが可能になります。これにより、運営者はより効率的に売上向上や顧客満足度の向上を実現できるでしょう。
Shopify Flowなどによるマーケティングの自動化に加えてAIの登場などShopifyは常にEC業界の最先端を進んでいます。これからの動向にますます目が離せないデモンストレーションイベントでした。