イントロ
これまでWebデザイン制作を行ってきたけど、ECサイト構築の相談をクライアントからうけたけど何からはじめてよいかわからない。ウェブサイト制作だけでなくECサイトの構築の仕事もしてみたいという方。Shopifyを利用してお客様の要望に応えてみませんか?
Shopifyでは、わかりやすいバックエンドのユーザーインターフェイス・強いセキュリティ・速いサーバー・多彩な決済のシステムがあらかじめ揃っています。ですので、煩わしいバックエンドの処理悩まされることなく、これまでのウェブデザインのノウハウ・フロントエンドの知識を活かしてお客様の望に応えやすくなっています。
またShopifyではそういったウェブサイト制作事業者が、デザイン・EC構築をスムーズに行えるようなツールを用意していくれているため、他社ECプラットフォームでのEC構築よりもはるかに行いやすい環境が整っています。より高いクオリティのものをお客様にも提供しやすくなっています。
今回の記事はとくにワードプレスやHTMLでウェブサイト制作やデザインを行ってきたけど、ECサイト構築も行いたいとお考え方にお届けしてみたいと思います。
では、まず簡単にShopifyについての概要から紹介します。
Shopify概要説明
ECプラットフォーム
Shopifyは日本だけでなく世界中で使われているクラウドベース型のオールインワンのマルチコマースのECプラットフォームです。
世界では150万以上の事業者が利用していて、日々利用事業者も増えています。
またビジネスの規模もそれぞれで、スタートアップから大企業まで利用しています。それぞれ小規模事業者向けから大企業向けまで、いくつかプランがありますが、ビジネスが成長するにあたってシームレスに活用できます。
販売のサポート
Shopifyはオンラインストアを構築するだけでなく、Shopifyからインスタグラム・Facebook・楽天市場など他のチャネルで販売するツールとしても活用できます。マルチコマース・オムニチャネルなどと呼ばれています。
また実はShopifyはオンラインストアだけでなく、対面での販売もサポートする機能をもっていて、あらゆる場所で商品やサービスを販売できる仕組みをもっています。あらゆるタイプのビジネスをスタートさせるにあたりShopifyは活用できるといえます。
Shopifyは他のECプラットフォームとは違いオンラインストアという役割だけでなく、顧客管理や流通管理などビジネスをサポートするツールとしても活用ができるようになっています。
あらゆる場所で販売するとなると、それにともなった様々な業務や管理が発生します。ビジネスが拡大するにあたって複雑化する業務をShopifyはシンプルにして効率化を手助けしてくれます。
SHOPIFYのシェア
では、どのくらいのビジネス事業者がShopifyを利用しているか?
Shopifyはカナダ発ですが、今では世界175カ国以上で、数百万店舗がShopifyを利用しています。Shopify上の流通の総額は4500億ドル以上とShopifyは発表しています。
SHOPIFYの利用料プラン
世界を代表するような大企業も利用しているShopifyですが、小さなビジネスでも気軽に利用できるよう、Shopifyではあらゆる企業スケールにマッチしたプランを用意しています。
小さくスタートして大きくビジネスが成長したあとも、サーバーのこと・プラットフォームの切り替え・情報の引き継ぎなどに悩む必要がないというのは大きな利点です。
またこれはウェブ制作事業者の立場からみれば、Shopifyパートナーとしてクライアントの成長を長いスパンで支えることができる・ウェブ制作事業者もともに成長できるということでもあります。
ではShopifyのプランを簡単に紹介します。(2022年6月時点)
ベーシックプラン
ベーシックプランは月額25ドルという非常に低料金ではじめることができます。低料金ですが、十分な性能で、安いからといってサーバーが弱かったり、少ない商品数しか扱えないなどといったことはまったくありません。またShopifyペイメントとよばれる決済サービスの利用料も含まれています。
なにか特別な事情・理由がないかぎり、まずはベーシックプランからはじめて問題ないかと思います。
スタンダードプラン
スタンダードプランは月額$69で利用できます。
スタンダードプランではベーシックプランに加えていくつかの機能の規模が拡大されています。例えばベーシックプランではスタッフのアカウント数が2人までですが、スタンダードプランでは5名まで追加できるようになっています。
規模が大きくなり、管理に必要なスタッフ増えてきたらスタンダードプランへ移行するのも良いでしょう。
プレミアム
プレミアムプラン月額$299で利用できます。
プレミアムプランではさらに追加できるスタッフアカウントも15名まで増えていて、Eコマースオートメーションなどのサービスも利用できるようになっています。
自動化はしたいけど、月額$299は高いとなる場合、Shopifyアプリなどを利用して自動化を行える部分もあります。
Shopifyプラス
Shopifyプラスは月額$2000ドルから利用できます。
Shopifyプラスは大企業や取引量が多いストア向けのサービスです。
より詳しい料金の特徴Shopifyの料金の項目から確認いただけます。
SHOPIFYの利用者
小さな企業から、世界を代表するフォーチュン500社のような大きな企業までShopifyを選び利用しています。
Nestle(ネスレ)・Sony・YAMAP・GODIVAなど聞いたことのある大きな企業も並んでいます。(Shopifyによる公開情報による)
Shopifyの事例は、Shopifyの公式サイトでいくつか公開されているものがありこちらからも確認していただけます。
SHOPIFYが選ぶ理由
ウェブ制作会社側からみたShopifyをプラットフォームとして選ぶ理由をみてみましょう。
柔軟なカスタマイズ性能
Shopifyは非常に柔軟なカスタマイズに優れているのが特徴です。
このことは、お客様からの要望に応えやすくなり、ウェブ制作事業者としての評価にもつながるでしょう。
自分たちはデザインできるのに、プラットフォームの制限が原因でクライアントの要望に応えられないというのは残念ですよね。ですが、Shopifyでは非常に柔軟に行えます。
フロントエンド面、ストアデザインの面では、HTML・CSSへのフルアクセスができるのでより自由で高度なデザインが実現可能です。
バックエンド面では、Shopifyアプリというシステムで、ストアの機能自体も拡張できます。8000以上の豊富なアプリがあり、日本の事業者向けのアプリも増えてきています。
ビジネス成長への機能
ウェブ制作事業者目線だと、ストアフロントのデザインにはこだわるけど、、ついつい見逃しがちなことです。
ですが、Shopifyはビジネスの成長のための機能を豊富に取り揃えています。
Shopifyはビジネスの成長のためのプラットフォームと謳っており、ベーシックプラン(月額29ドル)だからといって、商品登録数・サイトの訪問者数・注文の処理数などは制限されていません。
決済サービスや情報処理など、成長にあわせて継続に必要な機能が用意されています。
また、集客や顧客サポートに必要な機能を追加できるアプリなども豊富にあります。
あらゆる場面での販売チャネル
Shopifyは自社ECサイトの構築のECプラットフォームです。ですが、それだけでなくマルチチャンネルと呼ばれ、あらゆるチャネル(販売の場所)に対応しています。自社ECサイトのチャネルにとどまらず、他のチャネルにも商品を出品しShopify上で一元管理できるような機能を備えてます。
またさらにはオンラインだけにとどまらず、ShopifyのPOS(ポイントオブセールス)機能を使って対面販売の管理でき、在庫の管理などをオフラインととオンラインで融合することも可能です。
とくに実店舗での販売も行い、あたらしくオンラインストアを開設したいクライアントにとってはとても有用な機能となってくるでしょう。
また国内の商品を海外のお客様へ販売する越境ECにも強いプラットフォームです。Shopifyによると2021年7月のShopifyのトラフィックによると実に20%以上が国を超えた購入者によるものだったそうです。
国をまたいだ商品の販売は大変ですが、越境販売の立ち上げ・設定・最適化をひとつのShopifyストアから行うことができます。
高度なセキュリティと信頼性
ウェブ制作会社にとってひとつの悩みでもあるセキュリティなどの問題面。Shopifyでは心配することが減り、ストアフロントのデザインや構築に集中できることはとても評価できます。
Shopifyでは自動的にSSL証明書が発行してもらえます。他のプラットフォームだとSSL化するのに別途料金が必要・または制作側で設定など手間を取る場合があります。
SSLとはウェブサイトで入力情報の改ざんやなりすましを防ぐために使われる暗号技術の一種です。SSL対応されたサイトのURLがhttps://◯◯◯.comとなります。また検索エンジンもSSL対応しているサイトを優先的に表示するなどの姿勢を見せているようなので、セキュリティに力を入れることは集客にもつながります。
またShopifyはPCIレベル1に準拠した行動なセキュリティ水準を謳っています。
PCI レベル1とはビジネスのデータやりとりやクレジットカードのプロセスのデータのために要求された最高度のセキリティレベルを指します。参考 PCI
DSS Guide
さらに、365日24時間の監視により99.9%のアップタイプをマークしています。
この堅牢なセキュリティにより、マーチャントは、お客様に商品やサービスを届けるという本来のビジネスに集中できるので非常に大きな利点となります。
またウェブ制作会社にとっても、煩わしいセキュリティの対策に労力を割かなくてよくなるため、その分をサイトのデザイン構築というクライアントの要求に集中することができます。
セキュリティ対策は非常に高度な知識などが求められ、またハッカー・クラッカーなどもそれに対応する技術を上げてくるため非常にやっかいなトピックです。私の経験でもWordpressサイトにマルウェアが埋め込まれたことがあり、サーバー会社とコンタクトをとり排除や修繕に非常に時間と労力をとられたことがあります。
さらにこういったことが起こるとサイトを訪問するお客様に迷惑をかけることにもなり、・マルウェアなどが検知されるとGoogle広告なども停止するなどのリスクも潜んでいます。クライアント・マーチャントにとってもこういったことに時間を取られるのは避けたい事柄ですよね。ですが、お客様から情報を預かる以上大切なことです。
サポート体制
Shopifyでは年中無休でのメールによるカスタマーサポートを提供しています。マーチャントはいつでもこのサービスを受けることができます。
ウェブ制作会社にとっても余計な労力を省くことの助けとなります。
後述するShopifyパートナープログラムのおかけで、日本でもShopifyパートナーは増えてきています。それぞれの分野にあったShopifyパートナーと協力すればサポートも充実してくることでしょう。
Shopifyのパートナープログラム
現在、たくさんのECプラットフォームが”簡単に”制作できると、テレビ広告やネット広告で謳っているのをよくみます。もちろん以前にくらべれば、Web構築のコストも下がり、ECサイト構築のハードルは下がったといってもいいでしょう。
ですが同時に、ウェブの技術も多様化し、それにともない覚えることも多くなり・たくさんのワードが飛び交う中なにを覚えるべきかの判断にも時間かかるようになったと言っても良いかもしれません。
普段ウェブ技術の事情・トレンドについて意識していないマーチャントにとってはなかなかハードルが高いというのも現実です。
個人的には、マーチャントはそこの知識の補填に力をいれるよりも、マーチャント本来のビジネスの根幹である商品・サービス・価値の創造に注力できる環境がある方が理想だと個人的には思います。
もちろんEC運営するなら、ECもサービスの一つとなるのである程度の基礎知識を得るのは必要ですが。 マーチャントにとってはウェブ事情のことよりも、お客様に良い商品・サービス・価値を提供することが第一なのですから。
Shopifyではパートナープログラムという制度を用意しています。Shopifyパートナーとマーチャントが連携しやすい環境をあらかじめ整えてくれています。このことにより、ShopifyパートナーはShopifyの構築や運営サポートに集中し、マーチャントはより自分たちの商品やサービスに集中しやすい環境が整えられていると言っても良いでしょう。
この連携しやすい環境はビジネスの成長を助けてくれることでしょう。
このような、Shopifyのエコシステムは、制作会社(Shopifyパートナー)・マーチャントに大きな恩恵をもたらしてくれています。現在では8000以上のアプリがShopifyパートナーにより開発され、40,000をこえるパートナーが世界中にいてマーチャントのビジネスを支えています。
それぞれの業界や地域の商習慣などに詳しい人間がShopifyパートナーとして参加しやすくなっていることで、日本でも日本の商習慣にあったアプリなどが次々増えてきています。
サイト構築のレベニューシェアシェア
ShopifyではShopifyパートナーへのレベニューシェアも行っています。
Shopifyパートナーとして、マーチャントへのストア開発を行うと、そのマーチャントの支払う月額プラン料金の20%を報酬としてShopifyからも受け取ることができます。サイト構築の費用と比べると微々たるものかもしれませんが、サイトが増えると安定した収入にもつながります。
Shopifyパートナーの開発環境
先程、ShopifyはShopifyパートナーが活躍しやすい環境を用意していると説明しました。ではどういったものが用意されているかをご紹介します。
SHOPIFYパートナーダッシュボード
ShopifyパートナーにはShopifyパートナーの専用の管理画面「パートナーダッシュボード」にアクセスできるようになります。
このダッシュボードでは、Shopify開発ストアの開設または管理・紹介ストアの管理・支払状況の確認など、マーチャント(クライアント)にEC構築を提供するための必要な事項が行えます。
開発ストア
とくにShopify開発ストアでは、マーチャントがShopifyと契約する前に、あらかじめこちらでストアを用意することができ非常に便利なものとなっています。この開発ストアはShopifyパートナーであれば無料で上限なく作成できます。
実際の流れとしてはクライアントのために開発ストアを開設し、構築を行い、クライアントに納品するという流れになります。前述した、ストアの構築のレベニューシェア(コミッション)もこのプロセスで行ったストアが対象となっています。
この試用環境があることによりより、クライアントに引き渡すだけのものでなく、EC構築開発のための”実験・検証”を行うこともでき、Shopify構築の練習も行えるようになっています。
よりクオリティにこだわるサイト構築が行えるようになっています。
またこの開発ストアでデモストアなどのポートフォリオを作り、見込み顧客に対してどういったストアが制作できるかを提示することもできます。
ストアの管理
Shopifyパートナーはコラボレーターとしてマーチャントのストアにアクセスし、ストアの設定を行ったり、サイトのデザインを行ったりできるようになっています。
コラボレーターとしてストアにアクセスできるので、サイトを編集するのにマーチャントからパスワードを聞いたりしてサイトに入るなどのようなセキュリティ面で好ましくない行為も避けられます。
もちろんコラボレーターとしてのアクセスはそのストアのマーチャントからの承認が必要になります。この承認の権限も、例えば顧客情報にはアクセスしないできないようにするなど細かくわけることができるので、マーチャントにとっても安心できる仕組みとなっています。
このコラボレーターとしてアクセスしているストアもこのダッシュボードから管理が行えます。
Shopify パートナー向け情報
またダッシュボード画面からはパートナー向けの情報へもアクセスできるようになっています。
例えば、開発者向けのShopifyブログ記事では、開発に関するアップデート情報を読むことができます。
パートナー向けのセールスキットでは、クライアントにShopifyをすすめるための販促のための情報を見ることができます。
他にもShopifyパートナーコミュニティでは、Shopifyパートナー同士が情報を共有できる掲示板のようなプラットフォームが提供されています。
Shopifyテーマ
Shopifyでは、Shopifyテーマというものを使ってストアのデザインを構築します。
Shopifyテーマはストアフロントのデザインテンプレートのようなもので。ですが、ただ単なるビジュアルデザインのHTMLテンプレートみたいなものではありません。
Shopifyテーマそのものが、サイトデザインを構成するための機能を持っています。
Shopifyにはオンラインストアエディタと呼ばれる機能があり、コーディングすることなく画像や文言を入れ替えたり、またレイアウトを変更できるなどが行なえます。
この変更できる項目・内容はShopifyテーマの種類に依存します。
WordPressのテーマのようなものを想像すると近いと思います。
Shopifyテーマは、Shopifyが提供する無料のシンプルなものから、サードパーティが提供する有料のものまであります。
このShopifyテーマをうまく活用すると、コーディングすることなく構築をスムーズに、そして美しいものに仕上げることができます。
ただ、残念ながらShopifyテーマは海外製のものばかりで、使用するためにはカスタマイズ画面やマニュアルが英語という壁があります。
もし、英語はちょっと苦手という方であれば、『MISEル』テーマをおすすめいたします。
『MISEル』のテーマ
『MISEル』のテーマでは、カスタマイズ画面もすべて日本語で操作できるように作られています。他のテーマに比べても、細かいところまでカスタマイズ可能となっており柔軟なデザインに対応していただけます。
またHTMLコードもセクションに挿入可能となっていますので、テーマだけでは対応しきれないデザインにも応えることが簡単に行えるようになっています。
他のテーマと比べカスタマイズ項目も多く、使いこなすにはすこし覚えてもらわらないと行けない点はありますが、日本語のマニュアルも用意しておりますのでご安心いただけます。
また、こちらで用意しているデモサイトに沿った初期設定ファイルも用意しているので、イチからすべてを設定することなくサイトの構築ができるようになっています。
デモストア1
あとがき
いかがでしたでしょうか?Shopifyを使ってECストア構築も事業の一つに加えてみるはいかがでしょうか? もちろんShopifyについて勉強する必要はありますが、これまでのウェブデザイン案件などで培った知識やノウハウも活かすことも可能です。
Shopifyテーマだけでは、デザインがカバーできないなどの場合もShopifyは開発環境・ツールを用意してくれてますので、また別途紹介していきたいと思います。